今川義元の歴代キャスト 一覧
桶狭間で負ける気がしないNO.1
片岡愛之助(ラブリン)
大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)
「東海最強の戦国大名」のキャッチコピーがまったく白々しくない! かつてこんな強そうな今川義元がいただろうか……いやいない!
『麒麟がくる』第3話の初登場シーンもよかったですね〜。今川軍団の目にも鮮やかな青。そのあとに登場する義元の衣装も高貴ながらモダンな雰囲気もあり“新しい今川義元”の誕生を予感されました。
すでにネット上でも「この義元、桶狭間で負ける気がしねぇ」と話題になっているラブリン義元。これからの活躍とどんな最期を見せてくれるのか楽しみです。
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さて、今川義元というとどうしても「織田信長に桶狭間の戦いで敗北した公家きどりの愚将」というイメージがこれまで根強くありました。ゲームなどもそのイメージを強固にした一因でしょう。
こちらは大人気ゲーム『戦国無双』シリーズに登場する今川義元。武器が蹴鞠な時点でお察しです。白塗り、マロ眉、ぽっちゃり体型とこれでもかとある意味イメージ通りな義元です。
こちらも大人気ゲーム『戦国BASARA』の今川義元。シュッとした体型になりましたがやはり白塗りのマロ眉です。
とまぁ、一般的に今川義元といえば
・白塗り、マロ眉の公家かぶれ
・趣味は蹴鞠
・ぽっちゃりすぎて馬にも乗れない
・戦下手の凡将
というようなイメージなのではないでしょうか。
もうね……織田信長という絶対的大人気武将にドラマティックに敗北したことが一番の不幸だと思うんですよ。「桶狭間の戦い」で一躍名を挙げた信長と衰退の一途をたどることになる今川家。結果からさかのぼって今川義元という武将そのものがイメージ悪くなっちゃった典型例です。
あと、義元のマイナスイメージになっているものの多くは創作だったり現代の価値観から見た曲解だったりします(例:輿に乗っていた⇨馬に乗れない⇨デブだったんやな ※輿に乗るのを許されていたというのは義元が将軍家と親密な関係にある特別な武将だっただけでデブの証拠にはならない)
ですが、「海道一の弓取り」つまり「激選区・東海エリア最強の戦国武将」とうたわれた今川義朝が凡将なわけがないんです。しかも近年では内政面や外交面での手腕が再評価されだんだんと愚将のイメージから脱却しつつあります。
話を歴代キャストに戻してランキングの続きをどうぞ。
とにかく無口で不気味さNO.1
春風亭昇太
大河ドラマ『おんな城主 井伊直虎』(2017年)
ご長寿番組『笑点』の司会として知られる春風亭昇太という異例のキャスティングが話題になっただけでなく、「ほぼしゃべらないし無表情」という不気味さで視聴者を驚かせた昇太義元。
昇太師匠は静岡県出身で今川家の大ファン。そのため義元役に対する意気込みは並々ならぬもので「義元のイメージを変えたい!」とインタビューでもアツく語っていたのですが、その最後はまさかの「ナレ死(ナレーションで死亡が報告されること)」。
その残酷な扱いはお茶の間を戦慄させました。
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プライド高めのイケメンNO.1
谷原章介
大河ドラマ『風林火山』(2007年)
それまでの今川義元イメージを大きく変えたエポックメイキング的な存在。谷原章介をキャスティングした人、天才か?とにかく顔がよくて、プライドが高くて、頭もよくて、顔がいい。あ、声もいい。「本能寺の変」で歌う信長はよく見かけますが、「桶狭間の戦い」で歌う義元は非常に珍しいうえにかっこいい。なのにこちらもナレ死。
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死に様が壮絶すぎるNO.1
中村勘三郎(当時 中村勘九郎)
大河ドラマ『武田信玄』(1988年)
唯一無二の名優、故・中村勘三郎(当時の勘九郎)も今川義元を演じています。見た目こそ、白塗り&マロ眉&お歯黒というオーソドックス(?)なスタイルですが、とにかく死に様がトラウマレベルで凄まじい。
雷鳴が轟くなか織田勢に強襲され口から血を吐く義元が、泥にまみれ血にまみれながら「都へ…都へ…」と這いずる様は圧巻です。義元の有名な逸話に「襲ってきた織田家臣・毛利良勝と斬り合い首を斬られそうになったので良勝の指を食いちぎった末に絶命した」という壮絶なものがあるのですが、勘九郎義元ならやりかねない……と思うほど鬼気迫る最期でした。
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ヒール度NO.1
成田三樹夫
大河ドラマ『徳川家康』(1983年)
成田三樹夫のシャープな見た目と雰囲気でほかにない怜悧な義元になっています。笑っていても怖い。でもお歯黒なのにかっこいい。そして品と色気がヤバい。なんというかマレフィセントっぽい妖しい魅力があります。今川家の人質だった幼い家康が将来ライバルにならないよう、女と酒でずぶずぶのダメ人間に堕とそうとします。これは相当なワルです。
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意外すぎるキャスティングNO.1
三谷幸喜
フジテレビ大型時代劇ドラマ『女信長』(2013年)
まさかの三谷幸喜。「公家かぶれのおじゃるキャラ」というある意味テンプレ的な義元イメージで製作陣がオファーしたそう。もうね…なんもいえねぇ。三谷幸喜監督の映画『清洲会議』のクランクイン直前ということもあり時代劇の内側を知りたい、という監督サイドの思惑と番宣的意味合いもあったとかなかったとか。ちなみに今川家の人質だった天海祐希演じる信長(女性)に直接射殺されるという斬新な最期を遂げています。
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キワモノNO.1
六平直政
テレ朝火曜時代劇『太閤記~天下を獲った男・秀吉』(2006年)
見た目がキモい!動きがキモい!しゃべり方がキモい!笑い方もキモい!と、とにかくめちゃくちゃ振り切った今川義元。そして、なぞのグルメ設定。
桶狭間の戦いでもまったくやる気がなくゴロゴロした挙句、ものすごく無様に斬り殺されるというある意味予想を裏切らない最期を迎えました。インパクトはものすごいけど、今なら静岡県民からクレームが殺到しそう……。でも一部からは「キモかわいい」との声も。
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喜怒哀楽のはげしさNO.1
生瀬勝久
連続ドラマ『信長協奏曲』(2014年)
きめきめの公家メイクながらまったく品がよくない。むしろ下衆。蹴鞠もふみつぶしちゃう。オーバーリアクションでわめく義元はコミカルで、マンガのキャラみたいです。ご本人がノリノリで演じているのが伝わってきます。
なお、ナレ死どころか「信長さまが今川に勝ったぞー!」という織田家臣のセリフでご退場です。それにしてもおもしろいドラマだったなぁ。
ほかにもこんな人たちが義元を演じています。
松方弘樹。
これはかなり従来のイメージと異なる義元キャスティング。ザ・戦国大名という雰囲気です。1991年放送のTBSドラマ『武田信玄』で義元を演じています。どう考えても強そうですし、この時代にあって麻呂メイクではないのが新鮮です。
長門裕之。
TBS大型時代劇スペシャル『天下を獲った男 豊臣秀吉』(1993年)で義元を演じています。見るからにアクが強そう。個人的に時代劇の長門さんといえば隠密イメージがあるので義元役は意外でした。
また、長年水戸の御老公を演じられた西村晃さんも、若い頃に映画『徳川家康』(1965年)で今川義元を演じています。西村義元は品がありながらも冷徹な雰囲気だったんだろうな。
最後にカッコイイ義元公の人生を描いたマンガも紹介しておきます。
誰が一体このイケメンを今川義元だと思うのか(いや、思わない)。
こちら宮下英樹先生のマンガ『センゴク外伝 桶狭間戦記』の義元です。タイトルの通り桶狭間の戦いを中心に描いたものなのですが、今川義元と織田信長の若い頃から物語がスタートする異色の作品で、これまでにない解釈で義元が描かれています。
しかし、こうして振り返ると義元は「マロ系ぽっちゃり愚将」のイメージが根強いわりにバラエティ豊かなキャスティングですね。めちゃくちゃ強そうな義元公を拝見できそうな『麒麟がくる』の4話以降も楽しみです。
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