まず『麒麟がくる』の豊臣秀吉から。演じるのはこの方。
佐々木蔵之介。
キャスト発表時から「シュッとしすぎていて秀吉っぽくない」といわれていた蔵之介秀吉ですが、「そんなにいうならめちゃくちゃサルっぽくしてやる!」とばかりに初登場の蔵之介秀吉シーンにサルの鳴き声がSEに使われていたり、サル(本物)の映像を合間に挟んできたりしていて非常におもしろかったです。うん、わかった。蔵之介はサルだよ。わかったよ。
それにしてもちょっと早口な口調といい、木に登っちゃう身軽さといい、情報処理能力の高さといい蔵之介秀吉のポテンシャルの高さが初回からバンバン伝わってきて、今後が楽しみです。
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さて、豊臣秀吉といえば、織田信長、徳川家康とともに「三英傑」といわれ、歴史もの作品には欠かせない人物です。農民から天下人へ成り上がったサクセスストーリーと“人たらし”といわれるほどの人間的魅力からとても人気が高い戦国武将。影のさす晩年の秀吉もまた味わい深い。
そのため秀吉の役はこれまで多くの個性派俳優たちが演じてきました。
近年、秀吉役といえばパッと思いつくのはこの方でしょう。
竹中直人。
平均視聴率30%超えという驚異的人気を誇った1996年の大河ドラマ『秀吉』で主人公の秀吉を演じました。決めゼリフの「心!配!御!無!用!」は流行語にもなりました。懐かしい。
竹中直人は2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』で2度目の秀吉を演じています。
『秀吉』で演じたのが“光の秀吉”なら『軍師官兵衛』で演じたのは“闇の秀吉”。『秀吉』で晩年の秀吉が描かれなかったことが竹中直人も心残りだったそうで、その心残りを晴らすかのように『軍師官兵衛』の正気を失ったような晩年秀吉をノリノリで演じています。
大河のほかにも2007年に放送されたテレ朝のスペシャル時代劇『敵は本能寺にあり』でも秀吉を演じているほか、CMなどでも秀吉を演じたりと秀吉俳優の代表格といっても過言ではありません。
この方も大河で2度、秀吉を演じた秀吉俳優の代表格です。
名優・緒形拳。
1965年に放送された大河ドラマ3作目となる『太閤記』で秀吉を演じました。なんと白黒。秀吉を演じた緒形拳は当時まだ無名の新人俳優で、この作品で一気にその名を全国区にしました。まさに秀吉のごとし。ちなみに同作で石田三成を演じたのは石坂浩二なのですが、当時は慶應義塾大学の現役大学生だったそう。
それから13年後の1978年、大河ドラマ『黄金の日々』で緒形秀吉が再び登場するのですが、この秀吉がめちゃくちゃヒールでしびれます。
特に余命わずかな最晩年の緒形秀吉は圧巻。そしてなんといっても絶命シーンが衝撃的。あんなに血まみれでのたうちまわる秀吉の最期は見たことないし、子どもが見たら確実にトラウマになるレベル。
さらに10年後の1988年、TBS新春大型時代劇スペシャルドラマ『徳川家康』で3度目の秀吉を演じています。
ちなみにこの作品では徳川家康を松方弘樹、織田信長を山城新伍が演じています。ヤクザ映画かな?
この方も実は3度も秀吉を演じています。
西田敏行。
西田敏行×大河=西郷隆盛というイメージがあるのですが、1981年に放送された大河ドラマ『おんな太閤記』をはじめ、TBS大型時代劇スペシャル『愛に燃える戦国の女-豊臣家の人々より-』(1988年)、テレビ東京の新春ワイド時代劇『戦国疾風伝 二人の軍師 秀吉に天下を獲らせた男たち』(2011年)で秀吉を演じました。
ちなみに画像は『おんな太閤記』の西田秀吉ですが、妻であるねねを「おかか」と呼ぶのが印象的でした(あと秀吉がぽっちゃり系なところ)。
ちょっと意外なこの方も3度、秀吉を演じてます。
片岡鶴太郎。
俳優として活躍してるのは有名ですが、まさか3度も秀吉演じてたとはびっくりです。
画像は1996年に放送されたテレ朝のスペシャルドラマ『影武者 織田信長』。ちなみに織田信長と信長そっくりな影武者の二役を演じたのは今は亡き藤田まこと。
片岡秀吉を見られるのはほかに、NHK時代劇『大友宗麟〜心の王国を求めて』(2004)とテレ朝のスペシャルドラマ『徳川家康と三人の女』(2008)です。
この方は2年連続、大河で秀吉やってます。
仲村トオル。
ない。秀吉のイメージまったくない。ぜんぜんサルじゃない。ただのイケメンです。
1992年に放送された大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』の秀吉です(イケメン)。緒形直人の信長といい同作のキャスティングはかなり攻めています。
仲村トオルは翌1993年の大河ドラマ『琉球の風』にも秀吉役で登場します。ただし初回ワンシーンのみというレアキャラです。
それにしても一度秀吉役がアタると複数起用される法則でもあるんでしょうか。
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お次は近年の秀吉のなかでもインパクトのあったこの方。
小日向文世。
2016年に放送された大河ドラマ『真田丸』で秀吉を演じましたが、「無邪気に見えて目が笑ってない秀吉がコワい! 」「クセになるコワさがある」と話題になりました。また認知症になった晩年の秀吉が描かれたのもかなりインパクトありました。
コワい系秀吉といえば忘れてはならないのがこの方。
勝新太郎。
どちらかというと家康が似合いそうですが、秀吉です。「愛嬌? なにそれ?」みたいな顔ですが秀吉です。
勝新秀吉が登場するのは1987年に放送された大河ドラマ『独眼竜政宗』。平均視聴率39%超えという脅威の大人気大河としても有名です。若き日の渡辺謙演じる政宗、かっこよかったなぁ。勝新秀吉はとにかく眼光は鋭いは威圧感ハンパないわで、これまでの陽気な秀吉イメージを一変させるほど恐ろしく、秀吉の個性に新境地を開きました。渡辺謙ものちに勝新秀吉の迫力について「ゾクっとした」と語っています。
この秀吉もかなりの変化球。
岸谷五朗。
なにかと話題になった2011年放送の大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の岸谷秀吉はとにかくピュア。ずっと茶々(宮沢りえ)に恋してます。もう少女漫画の世界。
ある意味変化球なのがこの方の秀吉。
中村勘九郎(のちの18代目勘三郎)。
1995年に放送されたテレ東の12時間時代劇『豊臣秀吉天下を獲る!』で秀吉を演じているのですが、子ども時代の秀吉を演じたのは勘九郎のじつの息子である6代目勘九郎(当時は勘太郎)。
ぽっちゃり少年でかわいい。この少年が後年、大河の主役(『いだてん』)になるんだもんねぇ。感慨深い。
トップオブ変化球な秀吉といったらこの方でしょう。
奥田瑛二。
2009年公開の映画『GOEMON』で秀吉を演じているのですが、キリヤワールドの秀吉らしくブッとんでます。アクが強いどころかアクしかない。
予想外なキャスティングといえばこの方もかなり予想外。
河本準一(次長課長)。
2009年公開の映画『火天の城』で秀吉やってます。椎名桔平の織田信長がかっこよかったことしか記憶にないのは秘密だ。
2009年作品の秀吉は変化球が多いようで、大河ドラマ『天地人』で秀吉を演じたのがこの方。
笹野高史。
『天地人』で秀吉を演じた当時、笹野さん61歳。奇しくも秀吉の享年と一緒。笹野さんに秀吉のイメージがまったくなかったのですが、すごくハマり役でした。秀吉のひょうきんさ、残酷さ、心の弱さを丸ごと感じられる素晴らしい秀吉。さすが。
この方もじつは秀吉俳優。
藤岡琢也。
1989年の大河ドラマ『春日局』で秀吉を演じています。同作の脚本は橋田寿賀子。つまり“渡鬼”コンビ。
藤岡さんの秀吉役にかける意気込みはたいへんなものだったそうで、吉川英治版の『新書太閤記』(全8巻)を読み込み、自ら「秀吉って貧しい生まれなわけだから、髪を赤毛にしてチリチリにしてはどうだろう?」と提案したんだとか。そして採用されたんだとか。藤岡秀吉は今でもひそかに人気のある意外なハマり役でした。
こちらもちょっと意外な秀吉俳優。
武田鉄矢。
龍馬じゃないです。秀吉です。1983年放送の大河ドラマ『徳川家康』です。死に際し、うわごとのように「秀頼を頼むぞぉ…」と涙ながらに訴えるシーンは哀れを誘いグッときます。
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この方の秀吉はもはや“出オチ”レベルのインパクト。
大泉洋。
2013年公開の三谷映画『清洲会議』より。大泉さん、もともとサルっぽいので秀吉役はぴったりですが、このビジュアルは予想外でしたね。サルっぽいどころかサルじゃん。でもちょっともったいない部分もあったので、大泉さんにはまた別の機会にぜひ秀吉を演じてほしいなーと個人的に思います。
国民的アイドルのあの方も主演で秀吉でした。
草彅剛。
2003年に放送されたフジテレビの時代劇ドラマ『太閤記 サルと呼ばれた男』で主人公の秀吉を演じました。懐かしい。余談ですが明智光秀が宮迫博之というなかなかトリッキーなキャスティング。
さて、ここからは秀吉のイメージそのものな秀吉俳優たち。
トップバッターはこの方。
香川照之。
あー、わかる。秀吉、わかる〜。って感じです。
2002年放送の大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』での秀吉です。もうなんかヘタこいたら焼き土下座させられそうな雰囲気あります。ちなみに香川さん、当時37歳でした。
こちらも芸達者な秀吉。
柄本明。
あー、わかる(2度目)。
柄本秀吉が登場するのは2006年放送の大河ドラマ『功名が辻』。当時58歳。
柄本秀吉の特徴は演技もさることながら、「どこまでサルに近づけられるか」というチャレンジ精神を感じさせるメイク(柄本明本人が提案したらしい)。一歩間違えるとギャグみたいになりそうですが、そこはさすが柄本明。めちゃくちゃ秀吉にハマってました。ひょうひょうとしていて軽そうなのに本心は見せない、みたいな秀吉、柄本ワールド全開です。晩年、死が迫り悪夢におびえる秀吉の哀れな老人の姿は圧巻です。
個人的ベストオブ秀吉はこの方!
火野正平。
1973年放送の大河ドラマ『国盗り物語』。画像右が秀吉、左は信長役の高橋英樹。司馬遼太郎原作で傑作大河中の傑作なのですが、惜しむらくは総集編の映像しか残っていないんだなぁ……。
当時まだ無名だった火野さんは、この作品で秀吉役に抜擢されたことを機に「火野正平」という芸名にしたそう。俊敏さ、頭の回転の良さ、感情の豊かさ、育ちの悪そうさ……どれをとっても火野秀吉は絶品です。近藤正臣の明智光秀も絶品です。
ほかにこんな方々も秀吉俳優。
こうしてみるとさすが秀吉、キャスティングが華やかです!
初回からかなりのインパクトを残した2020年大河『麒麟がくる』の佐々木蔵之介バージョンの秀吉はどのような秀吉像を開拓してくれるのか楽しみです。
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