【実話】荒木村重は謀反の後、意外な人生を送っていた【軍師官兵衛で人気】

織田VS毛利が本格化して、盛り上がりをみせるNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』。なかでも、ひときわ注目を浴びているのが荒木村重。織田信長に反旗をひるがえしたのは有名だけど、その後の人生は意外なほど知られていません。今回は荒木村重の謀反の”その後”を紹介します。

戦国時代を扱った作品は数あれど、これほど丁寧に、時間をかけて荒木村重を描いた作品はなかったはず。『軍師官兵衛』での荒木村重はこちら。
 

荒木村重(大河『軍師官兵衛』のキャスト/田中哲司)の画像  
味のある俳優・田中哲司
村重の豪快さや繊細さ、謀反にいたるまでの苦悩を熱演。とても見応えがあります。

 

荒木村重の謀反の理由は諸説あるのですが、とにもかくにも織田信長を裏切り、約1年間にもわたり有岡城に篭城して徹底抗戦します。これが世にいう、有岡城の戦い。村重を説得しにいった黒田官兵衛が捕らえられ、土牢で過酷な幽閉生活を過ごしたことでも有名な戦いです。
荒木村重といえばとにかくこの戦いが有名なので、ここで奮戦むなしく討ち死にした、と思われがちなのですが、彼の人生には続きがあります。

 

 

村重は、有岡城を単身に近い手勢で脱出。
舞台を尼崎城、花隈城と移しながら抗戦。妻・だしも見捨てながらも、泥臭く戦いつづけます。

 

その後、遂に万策尽きたところで毛利に亡命しました。

 

有岡城を脱出した理由は、なかなか援軍送ってくれない毛利を直接説得しようとした、など諸説ありますが、結果的に、妻子や一族・重臣などを置き去りしたことで、荒木村重はこれまで長らく最低の卑怯者という扱いをされていました。

 

さて、毛利に亡命した後、荒木村重はどうなったのか?

 

 

 

 

村重は、茶人になりました。

 

 

しかもかなり高名な茶人です。

 

師匠は千利休
千利休(『荒木村重は謀反の後、意外な人生を送っていた』より)
 

 

利休のもとでめきめきと頭角を現した村重は、利休の弟子の中でも特に優れている「利休十哲(りきゅうじってつ)」のひとりに数えられることになります。ただ、荒木村重は自らを認めることはなく、自分などは取るに足らないどうしようもない男だ、という意味で、こう名乗るようになります。

 

 

 

 

荒木 道糞
あらき どうふん

 

 

 

 

意味は、道の糞のごとき男だという意味です。あ、そのまんまだった。

 

村重の哀愁や悔恨は十分に伝わります。
伝わるのですが、お茶会で「はじめまして、道糞です」などとおごそかに名乗られたら、狂おしいほどリアクションに困る。これは勘弁してほしい。返事ひとつでお家の存亡を左右しかねない動乱の戦国時代に、破壊力のある逆キラキラネームを用意して周囲を困惑させるあたり、村重さんマジ我が道を行き過ぎです。

余談ですが、かぶき者で知られる前田慶次のネーミングセンスもリアクションに困ります。前田慶次は自ら「龍砕軒 不便斎(りゅうさいけん ふべんさい)」や「穀蔵院 飄戸斎(こくぞういん ひょっとさい)」と名乗っていました。



 

話を戻します。
糞と自称していた荒木村重に、ある人物から命令が下ります。

 

 

 

 

それは、時の天下人である豊臣秀吉からでした。

豊臣秀吉(大河『軍師官兵衛』のキャスト/竹中直人)
 

 

秀吉にとっての村重とは、かつての同僚でありながら、主君・織田信長に牙を剥き、いまだ生きながらえている男。
その村重に対して、秀吉が下した命令とは、こんな内容です。

 

 

「荒木道糞(どうふん)あらため、荒木道薫(どうくん)と名乗るように」

 

村重本人が引きずっていた過去を、名前を変えさせることで断切った秀吉。これは、秀吉流のかつての仲間への気遣いなのかもしれません。

 

 

 

最後に。
荒木村重にとってターニングポイントともいえる有岡城の戦い。その戦いで大きく変わった、もうひとつの意外な人生を紹介します。

 

有岡城が落城した際、村重の妻・だしなどは織田勢に捕まり処刑されてしまいますが、数え年2歳であった村重の息子は乳母に救い出されました。息子は、石山本願寺に保護され、母方の姓を名乗り無事に成人します。

 

 

名は、岩佐又兵衛(いわさまたべえ)。またの名を「浮世又兵衛」。

 

岩佐又兵衛の自画像(『荒木村重は謀反の後、意外な人生を送っていた』より)  
江戸時代に活躍した絵師で、浮世絵の元祖ともよばれている重要人物です。

 

有岡城の戦いにより、父・村重は武の道に行き詰まり、その後、まったく違う生き方を選びましたが、奇しくも、息子・又兵衛もまた、浮世=当時の風俗(庶民の生活)を描くことで、武とはまったく別の道を歩んでいったのでした。

にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へ

戦国ブログ 最新記事

大河ドラマ『真田丸』のキャストと実際の肖像画を比べてみた
2016年大河の真田丸。人気脚本家・三谷幸喜が描く戦国時代。注目のキャストと現代に残る肖像画を並べてまとめています。
2016-01-10 16:52:20
大河ドラマ『軍師官兵衛』のキャストがいろいろと斬新過ぎる
遂に放送開始の2014年大河ドラマ『軍師官兵衛』。巷のキャスト予想をいい意味でも悪い意味でも裏切った、斬新過ぎるキャスティングについてまとめてみました。
2014-01-05 18:06:13
2014年大河『軍師官兵衛』のキャストを、どこよりも早く予想してみた【秀吉・信長は?】
戦国時代を舞台にした2014年NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』。発表済のキャスト陣やこれまでの大河ドラマの傾向をふまえ、秀吉や信長が誰になるかを大胆予想してみました。
2013-06-25 09:35:08
【400年前ですが】戦国武将の名言が現代のサラリーマンの胸にビシビシ刺さるらしい
戦国の武将や大名が生きたのはもう400年も前のことですが、彼らの言葉は現代人、なかでもサラリーマンにどうやら刺さるらしい。なるべく現代語でまとめてみました。
2013-06-13 02:00:56
【画像で比較】三谷幸喜映画『清須会議』のキャストと肖像画を較べてみた
2013年11月、戦国ファン注目の映画が公開されます。三谷幸喜脚本、監督の『清須会議』。そのキャスト陣と現代に残る肖像画を較べてみました。
2013-05-19 10:06:30
戦国時代の名言を定期配信しています

あわせて読みたい 江戸・幕末記事

アイデア豊富! 有名絵師たちの春画が時代を先取りしすぎている【64作品】
江戸関連の記事北斎や歌麿など世界的絵師たちも手がけた春画。近年では展覧会も大盛況ですが、なかには時代を先取りする驚くような作品も。今回は淫靡なれど美しく、そしてちょっと笑えるカオスな春画を多数ご紹介します。
2017/01/20 12:15:00
目指せ大奥、玉の輿! 江戸時代の女の子の忙しすぎる1日とは?【早朝から寺子屋】
江戸関連の記事ピアノのレッスンに英語教室、ダンスや塾と現代っ子は小さい頃からとっても大忙し。しかし、江戸時代にも現代っ子を上回るような超多忙な女の子たちがいたのです。
2017/01/17 12:30:00
一人鍋が定番! 江戸時代の冬の食事は現代とちょっと違っていた フグは庶民向け
江戸関連の記事寒い冬にこそおいしくなる温かい冬の食事。おでん、すき焼き、フグ、焼き芋…。今も見るけど、ちょっと違う江戸時代の冬の食事を紹介!
2017/01/15 15:10:00
ミニ氷河期だった江戸時代 庶民はどんな服装で冬の寒さをしのいだのか?
江戸関連の記事地球全体がミニ氷河期だった江戸時代。現代のような温かいコートやダウン、ヒートテックなどないなかで、人々はどのような服装で冬の寒さをしのいだのでしょうか?
2017/01/14 13:30:00
【食べないおせち料理】江戸時代の正月の常識が現代とだいぶ違う【お年玉はお餅】
江戸関連の記事現代のお正月といえば、初詣に行って、”あけおめ”メールを送り合って、初売りで福袋をゲットして、といった感じですが、江戸時代の人々はどのようにお正月を過ごしていたのでしょうか?
2016/12/31 10:15:00
これが江戸時代!? ゆるカワすぎる仙厓(せんがい)和尚の作品に思わずニンマリする
江戸関連の記事「かわいい江戸絵画」が注目を集める昨今、禅僧・仙厓義梵(せんがいぎぼん)の画も唯一無二のユーモラス&抜群のカワイさで展覧会でも大人気。今回はそんな仙厓和尚の作品をたっぷりご紹介します。
2016/12/23 16:00:00
忍者が鈴虫の養殖!? 意外に貧乏だった武士たちの驚きの内職とは?
江戸関連の記事封建社会だった江戸時代。支配階級にあった武士は労働とは無縁…だったわけでもなく。生きるために働かねばならなかった下級武士たちの驚きの内職事情をご紹介。
2016/12/15 13:00:00
【DSもスマホもないけど】江戸時代の子どもの遊びがバラエティ豊かで楽しくなる
江戸関連の記事カードゲームにニンテンドーDS、スマホ、キックボードなど、現代の子どもたちの周りには多様なおもちゃがあります。それらがなかった江戸時代、子どもたちは何をして遊んでいたのでしょうか。かわいらしい浮世絵とともにまとめてみました。
2016/12/16 19:30:00
【写真あり】江戸時代の刺青を徹底紹介!罪人に彫られた入墨刑が恥ずかし過ぎる
江戸関連の記事刺青(いれずみ)というと“アウトロー”のイメージがあり、近年、温泉やプールでは入場禁止になることも。また、就職や婚活の障害になることもあり賛否両論を巻き起こしたりします。では、江戸時代の刺青文化はどのようなものだったのでしょうか?
2016/12/14 11:20:00
大晦日といえば借金取り立て!大掃除後に胴上げ!江戸時代の年末風物詩を紹介
江戸関連の記事新年を気持ち良く迎える準備のため大忙しの年末ですが、それは江戸時代も同じ。現代と変わらない部分もあり、驚くような部分もありの江戸時代の年末風景をまとめてみました。
2016/12/13 12:30:00
【画像あり】江戸時代にもクリスマス!? 日本初のサンタは侍の格好だった!
江戸関連の記事クリスマスって戦後ぐらいに日本でも広まった?と思いきや、意外にその歴史は長かった。キリスト教が弾圧された江戸時代に、どうやってクリスマスを祝われていたのでしょうか?
2016/12/06 11:00:00
ゆるカワ地獄が面白い 200年前の奇才絵師・耳鳥斎の厳選32作品を紹介
江戸関連の記事近頃、江戸時代の“ゆるカワ”作品がアツい注目を集めています。以前ご紹介した北尾政美(きたおまさよし)もそのひとり。そして、今回ご紹介する耳鳥斎(読み:にちょうさい)も江戸時代が生んだ“ゆるカワ”絵師として展覧会や図録がジワジワ人気を集めています。そんな耳鳥斎の楽しい作品をご紹介。
2016/11/22 14:40:00

日本の歴史をもっと身近に。

戦国ガイド
戦国時代の大名・武将の名言や画、子孫など
★いまココ★ 戦国記事のみ掲載している特集ブログ
【おすすめ】戦国時代の家紋を一挙紹介
幕末ガイド
日本最大級の幕末サイト!
幕末をもっと楽しめる特集ブログ
明治ガイド
明治時代のみを扱ったレアなサイト
【おすすめ】明治の著名人が残した名言
大正ガイド
どこか懐かしく新しい時代、大正を知ろう!
【おすすめ】芥川龍之介、竹久夢二、宮沢賢治など大正の偉人を一挙紹介
昭和ガイド
昭和の芸能人やスポーツ選手、芸術家の名言や子孫など
【おすすめ】昭和の有名人が残した心に残る名言。その数、1,000以上
コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

トラックバックURL